どんな問題が出るのか
- ◎物理チャレンジの問題概要と過去問題集および実験キットの頒布
- 物理チャレンジでの出題範囲は、中学理科から高校物理の範囲を基本としますが、その範囲を超える問題には解説やヒント、誘導をつけて出題されます。
- 第1チャレンジ [自宅等でのオンライン試験、実験]
- 理論問題(多肢選択のマークシート方式):90分
- 高等学校の物理で扱う基本的な事項の理解を前提にしています。日常の体験やよく目にする自然現象に基づく物理など、物理を学び始めたばかりの人にも配慮した問題にしています。中には少し難しい問題もありますが、問題文をよく読んでよく考えて解答してください。
- 実験レポート課題
- 家庭や学校で身の回りの器具を使って実験できるテーマで設定されます。与えられたテーマでも、自分なりの興味や視点をもって実験してレポートにまとめてください。レポートは決められたセクションに区切り、グラフや図などを利用してわかりやすいものに仕上げることが重要です。
- 第2チャレンジ[3泊4日の合宿形式]
- 理論問題(記述式):5時間
- 日常での体験や身の回りの自然現象だけでなく、最先端の物理の研究トピックスやハイテク機器などから題材を採る場合もありますが、その場合には高校レベルでも理解できるよう噛み砕いた解説や誘導などが問題のなかに付けられます。知識を試す試験ではなく、むしろ問題を解くことによって高度な物理を楽しめるような工夫がなされています。文章をよく読み、論理的に順序よく考えることが大切です。問題文のなかにヒントが書かれていることが多いからです。
理論問題の多くでは高校2年生までに学ぶ数学を理解していれば解くことができますが、ときには高校3年生で学ぶ数学を使わなければならないこともあります。ただし、一見すると高度な数学を必要とするような問題でも、高校数学を超える数学を知らなくても解けるように工夫して出題されています。
コンテストでは電卓が貸与され、求める物理量の具体的な数値を計算する場合もあります。得られた値が妥当かどうか、桁が違っていないか、単位が間違っていないかどうかなどを最後にチェックすることも重要です。
試験会場に参考資料を持ち込むことはできません。
- 実験問題:5時間
- 基本的な物理量(質量、力、長さ、時間、温度、電圧、電流など)の測定とデータ処理の作業を含みます。そのため、電圧・電流計(デジタルマルチメータ)など基本的な測定機器の使用法を理解しておくとよいでしょう。
選手一人一人に実験装置キットが与えられ、器具を並べたり組み立てたりする作業から試験が始まります。装置の組立や実験手順が問題文に書かれている場合もあれば、それらを自分で考えて模式図などで答える場合もあります。実験の背景にある物理の理論をきちんと理解し、ポイントをおさえた測定をすることが重要です。実際に測定して得られたデータをもとにグラフを描き、データの持つ意味を考察したり、求められている物理量を計算したりします。たとえば、グラフにプロットしたいくつかのデータ点に1次関数を当てはめ、その傾きやy切片の値を求める方法が代表的です。測定データの不確かさ(誤差)の見積もりが要求される場合もありますが、その時には、その見積り方のヒントが与えられます。最後には、得られた結果が妥当な値となっているか、桁が違っていないか、単位が間違っていないかなどのチェックも重要です。